片耳は聞こえるのに補聴器が気になる ― 左右差のある聞こえのお悩み
70代の奥様。
耳鼻科からのご紹介で、補聴器のご相談に来てくださいました。
お悩みは
「左側から話しかけられると、聞き返しが多い」ということ。
測定すると、
右耳は小さな声も聞こえる聴力があり、
左耳は中程度の難聴。
この左右差が、日常生活での聞きづらさにつながっていました。
左右の聴力差があるからこそ、違和感が出やすい
実際に左耳に補聴器を装用していただくと、
「いろいろな音が響く感じがする」とのご感想。
右耳を手でふさいで、補聴器からの音だけを聞くと、
- 音にメリハリがない
- ヘリウムガスを吸ったような声に感じる
と、どうしても違和感が気になられました。
右耳がよく聞こえる分、
「以前の左耳と同じ聞こえ」を無意識に求めてしまわれます。
これは、左右差のある難聴の方にとても多い反応です。
毎日使うことは苦にならなかった理由
不思議なことに、
補聴器を毎日つけること自体は苦痛ではないとのこと。
両耳で聞いていると、
次第に違和感が気にならなくなり、
テレビの音量も自然と下がったそうです。
これは、
「耳で聞く」のではなく、脳で音を理解しているため。
右耳・左耳は、
音の大きさだけでなく「音の方向」を脳に伝えています。
「慣れ」と「求める聞こえ」のすり合わせ
装用から2か月ほど経った頃、奥様はこうおっしゃいました。
「求めている聞こえと、慣れのすり合わせやね」
とても大切な言葉です。
補聴器は、
✔ 一度で完璧になるものではなく
✔ 生活の中で少しずつ調整していくもの
今回も、
- 長年続いている左側の耳鳴り
- 運転中、助手席からの声の聞こえ方
などを確認しながら、伴走しつつ調整を続けています。
一人暮らしだからこそ、前向きに
奥様は現在お一人暮らし。
「まだまだこれからの人生やし、頑張るわ」
と、とても意欲的でいらっしゃいます。
左右差のある難聴でも、
正しい説明と、無理のない慣れがあれば、
聞こえは必ず生活を支えてくれます。
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