「耳疲労」「耳疲れ」という言葉があります。
先日ライブ配信のゲストとして、
そのお話をしてきましたので、
今日はそのお話をいたします。
今回お話しする「耳疲労」には二つあります。
まず一つ目は、イヤホンやヘッドホンで、
大音量の音楽を聴き続けることによる 「耳疲労」です。
コンサートのスピーカーのそばで聞いたときに、
一時的に耳がふさがっているような感じになったり、
耳鳴りが起こったりします。
騒音性難聴として、以前から懸念されていましたが、
コロナで在宅勤務になり、
BGM代わりにイヤホンやヘッドホンで音楽を聴くことで、
耳疲労をおこす方が増えているそうです。
この耳疲労には、まず音を上げすぎないようにする、
一時的に耳を休める時間を作る、などが大事です。
リモート会議で、イヤホンを長時間付けておられる方も
気をつけてください。
また、音楽を聞きながら眠るという方もいらっしゃいますが、
図書館内の静けさ=40㏈を超える音の中では、
浅い眠りになったり、
しっかり眠りに入るまでの時間に影響しますので、
タイマーをかけることをお勧めします。
二つ目は、物理的な距離(マスク・ビニール・アクリル板)
による耳疲労です。
特に、マスクを通して聞こえる声は、
低音の聞こえ方は変わりないのですが、
周波数でいうと「2000Hz以上の高音域」、
つまり「子音」が聞こえづらいのです。
口の動きによる視覚情報がないのも問題ですが、
マスクを通して言葉のメリハリとなる
「子音」の要素が欠落し、「こもった声」になっているのです。
そのため、ゆっくり話すこと、フレーズを区切って話すなど、
内容を推測し、整理できる時間が会話には必要です。
この聞こえづらさから、
何度も聞き返すのが申し訳ないと聞き流したり、
日常のさりげない会話のやりとりがなくなったり、
もうしゃべらなくてもいいやといった
コミュニケーション不足が、今、懸念されています。
さて、人間の脳には1000億個を超える神経細胞が
存在すると言われていますが、
1000億個の神経細胞を、
どのような働きをするか機能別にくくると、
8つの番地に分けられるそうです。
思考系、感情系、伝達系、理解系、
運動系、聴覚系、視覚系、記憶系です。
この中で、視覚系と聴覚系は
外からの刺激をキャッチする番地で、
このキャッチがあるからこそ、
考えたり、理解したり、感情が湧き上がったりしています。
耳がいい人は、よく記憶力が高いともいいますが、
この耳からの情報を聴覚系でキャッチし、
他の機能とネットワークを作りながら発達させるのです。
また、英国の医学雑誌「LANCET」の報告では、
中年期45歳~65歳に聞こえの低下がある人は、
認知症リスクが2倍と発表しており、
改善することで予防可能な因子であると言っています。
さらにさらに付け加えますと、
30年後は4人に一人が難聴という、
超難聴時代がくると、
WHOで昨年報告がありました。
大音量や聞こえづらさからの耳疲労をいたわり、
言葉をちゃんと脳に届け、
脳番地をネットワークでつなげる大切さを、
コロナ禍になってますます感じております。
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今日の1枚「社長!ヘルプミー!」
ご依頼いただいて、はいはーいとOKしたのですが、
パソコン分かっているようで分からない人間。
直前まで音声繋がらずアタフタ。
社長がいてくれて良かった。
聞こえのお話なのに、聞こえないということで、
音声はスマホで行いました。
さらに、スマホのスピーカーに向かって
喋っているという・・・
でもまた一つ、いい経験をしました。
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